ラジオ体操は柔軟体操の一種として、体をやわらげる効果しか望めないと考えられがちです。しかし、速く・大きく動くことにより、より強く筋力を使うようになります。そしてより強く筋力を使うということは、より多くのエネルギーを消費し、心臓や血管、肺などにもより強い負荷がかかります。その結果、筋力アップや持久力アップやダイエット効果が望める運動となるのです。
日本人にお馴染みのラジオ体操は、老若男女のどんな人でもやりやすい、柔軟体操の一種として捉えられています。
確かにラジオ体操は、無理のない範囲で全身を動かし、筋肉がストレッチされ（伸ばされ）、関節もいろいろな方向に動きます。一方で、あまり強度の強い運動ではないので、多くの人にとって無理なくおこなうことができます。そのため、柔軟体操の一種としてはうってつけで、健康法として、そして本格的な運動の前の準備運動として、多くの人たちに親しまれています。
しかし、ラジオ体操で本格的に体を鍛えようという人はあまりいないでしょう。多少は筋力を使うし、ある程度の持久力も必要ですが、ラジオ体操はやはりラジオ体操で、本格的な筋力アップや持久力アップやダイエットを望むものではないと考えている人が多いのではないでしょうか？ところが、実はラジオ体操も、ちょっとした工夫を加えることで、筋力アップや持久力アップ、そしてダイエット効果も望める、万能性のある運動になるのです。
主に柔軟性アップにしか望めなさそうなラジオ体操で、筋力アップや持久力アップやダイエット効果を望むための工夫は、速く・大きく動くことです。速く・大きく動くことで、より多くの筋力とエネルギー、そして持久力が必要になるのです。
物理学の法則に「力＝質量×加速度」というのがあります。そしてこれをごく簡単にいうと、「力＝重さ×速さ」といえます。つまり、同じ重さである自分の体を動かすならば、「速く動かすほど力が必要になる」ということであり、速く動くほど筋力を使うということになるのです。そして、速く動いて筋力を使うこと、そして大きく動くことで、人体はより多くのエネルギーを必要とします。その結果として、心臓・血管・肺に負荷がかかってそれらが鍛えられ、全身の持久力アップも期待できるのです。また、エネルギーをより多く消費するため、ダイエット効果も望めるようになります。
これらのことから、速く・大きく動くことで、ラジオ体操が筋力アップや持久力アップやダイエット効果も望める健康法になることが、理解できたのではないでしょうか。なお、自分の限界を超えて速く・大きく動きすぎると、筋肉や関節を傷める場合がありますので、その点は注意してください。
筋力アップをして美しい体を保ちたい、持久力のある体が欲しい、エネルギーを消費してダイエットをしたいと考えている方は、「スポーツをした方がいい？」「ジムに通った方がいい？」と考えることがあるかもしれません。しかし、それらをするには、時間と費用がかかります。また、気持ちに余裕がないと実行することは難しいかもしれません。
それから、「そこまでしなくても、毎日定期的に運動して、ある程度の美や健康を保ちたい」と考えている方もいるでしょう。
そんな方々には、速く・大きく動くラジオ体操はうってつけかもしれません。ジムなどに行って運動して帰ってくることと比べれば、時間もほとんどかからず、金銭的負担に関してはまったくのゼロです。雨の日も風の日も、体を動かせるスペースさえあれば、自宅でいつでもできます。普通にやれば主に柔軟性アップしか望めないラジオ体操ですが、ひと工夫することで、息が乱れ、汗をかき、翌日には筋肉痛になるような、ハードな万能運動法になり得るのです
運動することには色々な目的がありますが、普通のラジオ体操では、主に柔軟性アップしか望めません。しかし、速く・大きく動くことで、筋力アップや持久力アップやダイエット効果も望める、万能運動法に進化するのです。そして、もともと「誰でも」「いつでもどこでも」できるというメリットを持っているのがラジオ体操ですので、それを生かし、ぜひ自分なりに進化させたラジオ体操を試してみてください。