コラーゲンは美しい肌を保つために有効な成分です。肉のすじや軟骨などに多く含まれていて、ビタミンCなどのほかの栄養素とバランスよく摂取することで効果を発揮します。気軽に飲めるドリンクでもコラーゲンの摂取は可能ですが、体内に吸収されるだけで合成されるとは限りません。美肌を目指すなら、合成を促すさまざまな食品と併せて栄養バランスの取れた食生活でコラーゲンの摂取に努めることが大事です。
コラーゲンは、もともと動物の体内に存在しているたんぱく質の一種です。たんぱく質は人の体の構成に欠かせない重要な成分で、炭水化物や脂質と並び「三大栄養素」と呼ばれています。筋肉や血液、骨や臓器のほか、皮膚や髪の毛などはすべて、水分を除くとたんぱく質が主な成分です。たとえば、ケラチンというたんぱく質は髪の毛や爪を作る主成分で、アルブミンというたんぱく質は血液に多く含まれています。そして、皮膚の70パーセントを構成する主成分となっているのがコラーゲンなのです。
コラーゲンは細胞同士をつなぐ大切な役割を持っています。コラーゲンが充実していると、細胞同士がきちんとつながり構造が正しく整えられるため、肌の状態は安定します。しかし、コラーゲンが不足したり、劣化してしまったりすると、細胞の並びが崩れて肌の老化につながってしまうのです。
このように、コラーゲンはシワやたるみのない美しく整った肌を保つために大切な成分となっています。ただし、たくさん摂取すれば美肌になれるというわけではありません。ほかのさまざまな栄養素と関わることで体内にコラーゲンが生み出されたとき、初めて効果が生まれます。そのため、コラーゲンをしっかりと摂取しながらも、普段の生活のなかでバランスの良い食事をとることが美肌作りには重要となっているのです。
美肌を目指している人であれば、できる限り効率的に肌に良い栄養素を取りたいと考えるものですよね。そこで、コラーゲンを多く含んでいる食べ物について紹介します。
まず、コラーゲンの多い代表的な食べ物が、肉のすじや軟骨などです。牛すじ肉や砂肝、鶏手羽などのほか、粉末の鶏ガラスープの素にも多く含まれています。さらに、ハモの皮やフカヒレ、うなぎやサケといった魚介類なども、コラーゲンの含有量が多い食べ物です。コラーゲンが多い食べ物であるかは、調理後に冷めた料理を見て身がぷるぷると固まっているかどうかが1つの目安となります。
一方、コラーゲンを効果的に摂取するために併せて食べるとよい栄養素が、コラーゲンの合成にかかわるビタミンCです。ビタミンCは、キウイフルーツやイチゴをはじめとした果物、ブロッコリーや赤ピーマンなどの野菜に多く含まれています。ただし、熱に弱く水に溶けやすい性質があるので、サラダや生のままで食べるようにするとよいでしょう。また、高い弾力性でコラーゲンの構造を支えるエラスチンも、併せて摂ると美肌効果を高めてくれる成分です。エラスチンは、コラーゲンと同じ牛すじ肉や手羽先などのほか、カツオの心臓部にも多く含まれています。
少しのすきま時間などでも飲みやすいドリンクでコラーゲンを摂取できたら便利ですよね。市場にはコラーゲンを含んだドリンクなども売られていますが、実際にそれほど簡単な方法でコラーゲンを摂ることができるのかと疑問に思う人もいることでしょう。
一般的に、コラーゲンドリンクに使用されている成分は人工的に小さく分解されているものです。そのままの大きさのコラーゲンだと分子が大きすぎるので体に吸収されません。しかし、事前に小さく分解しておくことで胃腸への消化や吸収がされやすくなっています。そのため、ドリンクでもコラーゲンを体内に摂取することは可能です。特に、22時から2時までの、いわゆるお肌のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯にあたる就寝前などに飲むと、肌の生成をサポートしてくれるため効果的となります。ただし、ドリンクでも吸収はされますが、必ずコラーゲンが合成され役割を果たすとは限りません。普段の食事のなかでさまざまな栄養素とバランスよく摂取して初めて効果が出ることを理解しておきましょう。
また、少しでも早く肌への効果を出したいと一度に多くドリンクを飲もうとする人もいますが、決められた容量を超えて飲むことは避けましょう。コラーゲンだけを多く体内に入れたからといって、ほかの栄養素とのバランスが合っていなければ効果が出ることはありません。かえって、過剰摂取により美容面でマイナス効果を出すこともあります。
シワやたるみのない美しい肌は女性にとって憧れですよね。美肌作りは、日々の努力や気遣いの積み重ねが大切であり、体の内側からと外側からのダブルアプローチが有効となります。コラーゲンは体の内側から健康な肌を作る際に重要な役割を担う成分です。コラーゲンを有効活用して美しい肌を目指すなら、日々の食事のなかで、ほかの栄養素とのバランスを上手に取りながら、摂取するようにしましょう。